委員長のことば

学校体育研究同志会の全国常任委員長の石田智巳です。

私の専門は、体育と認識に関する研究です。体育と認識の萌芽は和歌山県の保健体育教師であった佐々木賢太郎氏に求められます。1952年から生活綴方を用いた保健体育の指導が始まったのですが、その指導法の変遷を実証的に跡づけています。また、子どもの認識に関わって授業後の感想文をどのように読むのか、あるいは教師や子どもの授業中のナラティヴの変容を追いかける研究を行ってきています。

今世間では、アクティブ・ラーニングが推奨されていますが、そこで重要なのは、単に活動的な学習を指すのではなく、思考の外化と内化を伴う学習だと考えます。体育同志会では、1985年頃から「学習活動の対象化」といういい方で、自分たちの学習活動そのものを学習の対象に据える学習を目指してきました。単純化すれば、「わかる、できる、伝え合う」となるのですが、これは思考の外化と内化を組織することとともに、教師と子どもが協同で授業を作ることを含意しています。

さらに大切なのは、子どもの思考の外化と内化を組織するだけではなく、それらを通して教師の思考の外化と内化を行うことです。つまり、実践記録を書いて自分の実践を意味づけ、他者と協同で意味づけ直していくというナラティブ・アプローチの観点です。教師の成長 = 信念の変化は、この書くという作業を通して得られると思っています。これまでの成果ともいえる優れた実践記録は、機関誌である『たのしい体育・スポーツ』で読むことが可能です。

より多くの子どもの幸せのために、体育同志会で一緒に学びましょう。

石田智巳(立命館大学)